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ChatGPTでマニュアルを作る方法|手順書を短時間で整えるコツ

「業務マニュアルを作らなきゃいけないけど、時間がなくてずっと後回しにしている……」

中小企業のバックオフィスでは、担当者の頭の中だけにノウハウがある「属人化」の問題がよく起こります。マニュアルを作ろうと思っても、ゼロから文章を書く時間がない。箇条書きのメモはあるけど、人に見せられる形にはなっていない。

この記事では、ChatGPTを使って業務マニュアルや手順書を短時間で作る方法を紹介します。すでにあるメモや箇条書きを「読める手順書」に変換するプロンプトを中心に、実践的なテクニックをお伝えします。

この記事で解決する業務

  • 箇条書きメモはあるが、ちゃんとしたマニュアルにする時間がない
  • 退職・異動前に引き継ぎ用のマニュアルを急いで作りたい
  • 古いマニュアルを現在の業務フローに合わせて更新したい
  • 新人にも分かるレベルの手順書を用意したい

箇条書きメモからマニュアルを生成するプロンプト

業務の流れを箇条書きにしたメモがある方は、このプロンプトを使ってみてください。

あなたは業務マニュアルの作成担当者です。以下の箇条書きメモを、新人でも理解できる業務マニュアルに変換してください。

【条件】
- ステップバイステップ形式(Step 1, Step 2...)
- 各ステップに「操作内容」と「ポイント・注意点」を含める
- 専門用語には簡単な説明を()で補足
- 想定読者:この業務を初めて行う人
- 見出し・番号付きリストを使って見やすく

【業務名】
(例:月末の請求書発行業務)

【箇条書きメモ】
(ここに既存のメモをペースト)

出力例

「月末の請求書発行業務」のメモを入力した場合、以下のような形式で出力されます。

月末の請求書発行業務マニュアル

対象者: 経理担当者 実施タイミング: 毎月25日〜末日 所要時間目安: 約2時間(取引先10社の場合)

Step 1:売上データの確認

操作内容:

  1. 会計ソフト(freee)にログインする
  2. 「売上レポート」→「月次」を選択
  3. 対象月のデータが正しく入力されているか確認する

ポイント・注意点:

  • 未入力の売上がないか、営業担当に前日までに確認しておく
  • 月をまたぐ案件は計上月に注意(発生主義で処理)

Step 2:請求書の作成

…(以下続く)

ゼロからマニュアルの構成を作るプロンプト

メモすらない場合は、まず構成から作りましょう。

以下の業務について、マニュアルの目次構成を作成してください。

【業務名】
(例:新入社員の入社手続き)

【含めるべき内容】
- 業務の目的と全体の流れ
- 必要な準備物・ツール
- 具体的な手順
- よくあるミスと対処法
- 関連する社内ルールや連絡先

目次は大見出し・中見出しの2階層で作成してください。

出力例

新入社員の入社手続きマニュアル|目次

1. はじめに

  • 1.1 このマニュアルの目的
  • 1.2 入社手続きの全体フロー
  • 1.3 スケジュールの目安

2. 事前準備(入社日の2週間前まで)

  • 2.1 必要書類の一覧と送付依頼
  • 2.2 PC・備品の手配
  • 2.3 アカウント作成(メール・社内システム)

3. 入社日当日の手続き

  • 3.1 書類の受領と確認
  • 3.2 社会保険・雇用保険の届出
  • 3.3 オリエンテーションの実施 …(以下続く)

構成ができたら、各セクションをプロンプトで肉付けしていきます。

各セクションを肉付けするプロンプト

目次ができたら、セクションごとに詳細を生成します。

以下のマニュアルの目次のうち、「(セクション名)」の部分を詳細に書いてください。

【条件】
- ステップバイステップ形式
- 各手順に「誰が」「何を」「どこで」「いつまでに」を明記
- 初めてこの業務を行う人が迷わないレベルの具体性
- 注意点やよくあるミスがあれば併記

【目次全体】
(先ほど生成した目次をペースト)

【詳細化するセクション】
(例:2. 事前準備)

画像の説明文を生成するプロンプト

マニュアルにスクリーンショットを貼る場合、画像だけでは伝わりにくいことがあります。キャプション(説明文)をAIに書いてもらいましょう。

以下の画面操作について、マニュアル用のキャプション(画像説明文)を作成してください。

【画面の内容】
(例:freeeの請求書作成画面で、右上の「新規作成」ボタンをクリックした後の画面)

【キャプションの条件】
- 「画面上部の〇〇ボタンをクリックします」のような操作指示形式
- 画像に赤枠で示す箇所があればその説明も含める
- 1〜2文程度で簡潔に

出力例

【画像キャプション】画面右上の青い「+新規作成」ボタンをクリックします。クリックすると、請求書の入力フォームが表示されます。

古いマニュアルを更新するプロンプト

すでにマニュアルはあるけど、内容が古くなっている場合に使います。

以下は現在使用中の業務マニュアルの一部です。以下の変更点を反映して、マニュアルを更新してください。

【条件】
- 変更箇所がわかるように【変更】と注記を入れる
- 既存の文体やフォーマットを維持する
- 変更に伴い矛盾が生じる箇所があれば指摘する

【現在のマニュアル】
(ここに既存のマニュアルをペースト)

【変更点】
(例:
- 会計ソフトをfreeeからマネーフォワードに変更
- 承認フローが2段階から3段階に変更
- 提出期限が25日から20日に変更

出力例

Step 1:売上データの確認

操作内容:

  1. 【変更】会計ソフト(freee)→会計ソフト(マネーフォワード)にログインする
  2. 【変更】「売上レポート」→「月次」→「レポート」→「売上」→「月次集計」を選択
  3. 対象月のデータが正しく入力されているか確認する

注記: マネーフォワードではメニュー構造がfreeeと異なります。初回は以下の手順でメニューの場所を確認してください。

失敗例・NG例

失敗例1:抽象的すぎるプロンプトで使えないマニュアルができる

× 悪い例:「経理のマニュアルを作って」
○ 良い例:「月末の請求書発行業務のマニュアルを作って。freeeを使用。取引先は約10社。」

業務名だけでなく、使用ツール・規模・頻度などの具体的な情報を伝えることで、実用的な内容が生成されます。

失敗例2:一度に全部作ろうとする

マニュアル全体を一つのプロンプトで生成しようとすると、内容が薄くなったり、途中で途切れたりします。

おすすめの進め方:

  1. まず目次を作る
  2. セクションごとに詳細を生成
  3. 最後に全体を通して整合性を確認

失敗例3:AIが書いた「架空の手順」に気づかない

ChatGPTは、実在しないボタン名やメニュー名をもっともらしく書くことがあります。特に特定のソフトウェアの操作手順は、必ず実際の画面と照らし合わせて確認してください。

よくある間違い:

  • 存在しないメニュー項目が書かれている
  • ボタンの名前が微妙に違う(「保存」と「保存する」など)
  • バージョン違いで画面構成が異なる

社内で使うときの注意点

社内の機密情報に注意

マニュアルの素材としてChatGPTに入力する際、以下の情報は含めないようにしましょう。

  • 顧客名・取引先名(「A社」「B社」に置き換え)
  • 社内システムのURL・ログイン情報
  • 具体的な金額・単価(「〇〇円」に置き換え)
  • 社内の人名(「担当者」「上長」に置き換え)

最終チェックは必ず実務経験者が行う

AIが生成したマニュアルは、以下の観点で必ず実務経験者が確認してください。

  • 手順の抜け漏れ: AIが知らない社内独自のルールはないか
  • 操作の正確性: 画面の名称やボタンの位置は正しいか
  • 前提条件: 権限やアクセス権について記載が抜けていないか
  • 例外処理: イレギュラーケースの対応が書かれているか

バージョン管理を忘れずに

マニュアルを更新したら、以下を記録しておきましょう。

  • 更新日
  • 更新箇所の概要
  • 更新者名

ファイル名に日付を入れる(例:manual_invoice_v2_20260322.docx)のも有効です。

マニュアル作成を効率化するワークフロー

最後に、ChatGPTを活用したマニュアル作成の推奨ワークフローをまとめます。

ステップ作業内容担当
1業務の流れを箇条書きでメモする実務担当者
2ChatGPTで目次を生成誰でもOK
3セクションごとに詳細を生成誰でもOK
4実際の画面・手順と照合実務担当者
5スクリーンショットを追加実務担当者
6別の人に読んでもらってフィードバック新人や他部署
7修正・完成実務担当者

まとめ

ChatGPTを使えば、マニュアル作成にかかる時間を大幅に短縮できます。「メモはあるけど整理する時間がない」という方にとって、特に効果が大きいツールです。

ChatGPTが得意なこと:

  • 箇条書きを読みやすい文章に変換する
  • マニュアルの構成・目次を提案する
  • 丁寧で統一感のある文体に整える

人間がやるべきこと:

  • 業務の実態に基づく手順の確認
  • スクリーンショットの撮影と配置
  • 社内独自ルールの追記
  • 定期的な更新

完璧なマニュアルを一発で作ろうとせず、まず60%の完成度で素早く形にして、実際に使いながら改善していくのがおすすめです。ChatGPTで「最初の一歩」を軽くしましょう。